大阪産業大学産学連携研究推進事業
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産学連携研究推進事業概要

大阪産業大学 新産業開発センター 産学連携研究推進事業

 

地域産業創出型有害物質新制御システムの開発に関する研究プロジェクト

現在、世界では10万種に近い化学物質が生産され、その一部は生物学的及び物理化学的に難分解であるため環境中では容易に分解されない。これら化学物質には、ダイオキシンやPCBのような有害物質も含まれ、例えばごみ焼却場での燃焼過程におけるダイオキシン類の低減及び排ガス中のダイオキシン除去は至急の課題である。PCBについても回収したPCBの多くが工場等に保管されたままになっており、漸く処理が開始される状況にあるが効率的で適切な処理法が望まれている。また、最近では水系における各種の内分泌撹乱物質が問題となり、浄水過程でのそれらの除去、下・排水中からの低減が課題となっており、いずれも従来法による浄水処理、活性汚泥法によっては十分な除去ができないことが知られている。自然環境水系においては湖沼や池、ダム湖などにおける富栄養化が内外ともに深刻であり、とくに有害藻類については生産される有毒物質による魚業被害、生態系への影響が危惧されている。無機物質については、新たにセレン、フッ素、ホウ素が環境基準に加わり、排水基準値も設定されようとしているが、元素の水中における存在状態が複雑であるため十分な処理法が確立されていない。有害物質による土壌・地下水汚染については顕在化していないものも含めると膨大なサイト数に上り、ダイオキシン類等の猛毒物質による深刻な汚染も多く見受けられる。有害物質は排出しないことが原則であるが、容易に分解しない難分解性物質が多いことから、現状の排出、汚染状況を鑑みるとともに人間や生態系への影響を考えると、効率的な処理、浄化法の開発と実用化が緊要の課題であると言える。

 

本プロジェクトの研究課題

(1)対象物質

多くの有害物質が存在する中で本プロジェクトで取り上げる対象物質は、至急の対応が必要であるものを中心に以下の通りである。

 

  • ダイオキシン、PCB、含塩素系農薬等の有機塩素化合物、その他の内分泌撹乱物質(ノニルフェノール、フタル酸エステル類等)、などの各種有害有機物質
  • 新規規制物質(Se, F, Bを含む)無機性有害物質
  • 自然界で生産される有害物質(自然環境系で例えば有害藻類が生産するミクロシスチンなど)
 

(2)プロジェクトの目的と全体構成

本プロジェクトでは、上記有害物質で汚染された河川、湖沼、地下水などの水環境系、上水・下水・排水の水処理系、廃棄物・汚泥系、土壌系の各系に適用できる有害物質分離・濃縮、分解プロセスを、それらを構成する要素、材料とともに開発し、実用できる処理・浄化システムの考案とプラント製造につなげる一連の環境修復技術の構築を目的としている。水環境系や水処理系の水系においては、含まれる有害有機物を直接に分解できる技術も有効であるが、濃縮後に無害化をはかることが基本であり、効率な濃縮法の開発がまず重要である。また一方、環境中では、土壌や底質の有害物質(ダイオキシン類等)による汚染が問題となっており、廃棄物となった有害物質とともに効率的な分解法の開発が重要な課題となっている。さらに前述の濃縮水や一部の高濃度排水、汚染土壌や底質及びその間隙水さらには有害物質で汚染された機器(解体炉など)の洗浄水(有害物質が付着した微細粒子含有)に関する有害物質処理法もまた技術的な課題が多い。処理・浄化が容易でない有害物質に対応するこのような分離・濃縮及び分解のプロセス及びそれを統合した処理システムの果たす役割が今後大きく拡大していくものと考えられている。

図-1に本プロジェクトで取扱う有害物質を含有する各系と適用する要素技術の概要を示す。開発しようとする主な環境修復新技術・プロセスは、図中に示した①~⑧である。要素技術は〔有害物質分離・濃縮技術〕と〔有害物質分解技術〕とからなり、さらに前者では①高度膜分離技術、②新素材吸着とから、後者は③化学酸化④新素材利用電気分解⑤加熱(触媒利用)⑥超高温水蒸気⑦超臨界流体⑧吸着機能微生物利用とから構成される。プロジェクトではこれら①~⑧の処理・浄化プロセスを開発後、単独にあるいは複数のプロセスを組合せて、有害物質処理新システムを産学協同で提案し、設計、プラント化を推進する。例えば、水処理系において有害有機物を膜分離し、濃縮水は化学酸化等の分解法により処理する複合システムが組合せ処理システムとなる。

 

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ここで提案、製造されたシステムを実際の処理・浄化対象系に適用し、その結果を各単位操作の装置化にフィードバックさせながらシステムの実用化を目指す。図-2はこのようなプロジェクトの全体構成を示したものである。

 

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(3)プロジェクトの研究体制

当該プロジェクトにおける本学の研究組織は5名の主な研究者(専任教員:尾崎博明、寺島泰、菅原正孝、濱崎竜英と本学発のベンチャー企業代表者:山田修)を中心に関連教員、プロジェクト付研究員、外国人研究員、などから構成されている。また、産学連携による実用装置システムの開発を強力に推進するために環境関連産業のほか素材産業など異業種も含めた企業群(大企業、中小企業、ベンチャー企業、地場産業)から約20名の研究者の参加を得ている。